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●高野悦子さん逝去    jeudi 14 feve,2013 [■Cinéma et Musique]

岩波ホール総支配人の高野悦子さんが9日に亡くなったそうだ。83歳だったという。

1980年大学に入る時に初めて見た映画は、岩波ホールで上映されたフランソワ・トリュフォーの『緑色の部屋』(1978)だった。トリュフォー自身が出演し、ナタリー・バイの共演で、トリュフォーの死生観が窺い知れた。

この年はタルコフスキーの『鏡』(1975)、アンジェイ・ワイダ『大理石の男』(1977)、ルキノ・ヴィスコンティ『ルードウィヒ』(1972)と上映されており、大学の近くのACTミニシアターとともに、毎月のように岩波ホールに行っていた(早稲田松竹もあったが)。『大理石の男』の上映後8月にポーランド・グダニスク造船所の自主労組「連帯」が成立し、翌1981年の12月に戒厳令が引かれたことはシーニュであった。『カティンの森』までワイダ監督を観るようになったのは、「大理石の男」の政治に対する密着した映画の方向性による(クリスチーナ・ヤンダも魅力的である)。

最近は映画を観る回数が減っているが、2006年4月に急逝した黒木和雄監督の遺作『紙屋悦子の青春』も岩波ホールだった。1988年夏上映の『TOMORROW/明日』(88)、2004年『美しい夏キリシマ』(03)、2004年『父と暮せば』(04)も忘れることはできない。

岩波ホールでの映画との邂逅は予め高野悦子さんによって創られたものであるが、それは濃厚で豊饒な作品群であるといえる。

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左下写真、モンマルトル墓地にあるトリュフォーの墓


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■ジャン=マルク・ルイサダ リサイタル  samedi 24 novembre 2012 [■Cinéma et Musique]

紀尾井ホールでjean-marc Luisada のピアノ・リサイタル。
ショパンのマズルカ、スケルツオ、練習曲と、ドビュッシーのベルガマスク、前奏曲第1巻。

ショパンのドラマツルギー溢れる音の連続で感情に訴えかけ、ドビュッシーが空間認識の音の構成で迫る。ルイサダは力ずくで弾いているわけではないのに音色が豊饒だ。

「ベルガマスク」の残響が金属音のように聴こえたが、あれはなにかピアノの性質なのか、あるいは技法なのだろうか。

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開演前はオーバカナルで。

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■イリーナ・メジューエワ「ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番」  dimanche 4 novembre 2012 [■Cinéma et Musique]

大江戸線勝どきの「晴海トリトン~」の第一生命ホールで、中央区交響楽団の演奏会。
ハチャトリアン「組曲・仮面舞踏会」
ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番ニ短調作品30」
ドボルジャーク「交響曲第7番ニ短調」

イリーナ・メジューエワさんのピアノだけ聴きたかったんですが……、そういう訳にもいかない。
ハチャトリアンはイタリア映画の物悲しい(つまり物悲しくない)村の風景が浮かんでくる。クラリネットやファゴットの音が際立ちすぎる。バタバタしすぎて最悪。
で、演奏が終わったら演奏者の椅子を移動し、右手の方からピアノを搬入。ドタバタ、ガヤガヤなんなんだという驚き。適当にピアノを中央に置き、肥満した男の人が適当に演奏者の椅子を並べて、イリーナさんが入ってくる。
バッハのゴルトベルクの時とは変わって、ラフマニノフのロシア的な音が楽しいが、トランペットが大きすぎ。

休憩に入ったところで、楽団の方がドボルザークの交響曲7番は、「ドボシチ」と読むのか「ドボナナ」と読むのかとパンフレットに書いてあるのを見て、聴かずに席を立つ。

同じ時間にBくんがパスカル・ロジェのピアノを聴きにいくと言っていたが、ドビュッシーやフォーレの夜想曲、プーランクの15の即興曲・エディット・ピアフ讃などを聴いて居たはずだ。イリーナさんのラフマニノフは満足だが、落差が大きすぎるのではないか。

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2012-11-03 [■Cinéma et Musique]



SONY・アメリカから、グールドがバッハを弾いたCDが44枚届いているのですが、開けられません。

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●イリーナ・メジューエワ「ゴルトベルク変奏曲」  samedi 25 aout 2012 [■Cinéma et Musique]

朝日カルチャーセンターコンサート講座
バッハの「ゴルトベルク変奏曲」を、イリーナ・メジューエワさんの演奏で聴く。

演奏の前に音楽ジャーナリスト伊熊よし子さんとのお話があったが、ソビエト・ロシアの演奏者にグレン・グールドの影響が如何に多大であったかということを知った。グールドの演奏旅行がロマン派中心であったソ連音楽界に衝撃的であったということは、多くの書物やカナダのドキュメンタリー番組にも残っている。それを、イリーナさんの師であるウラジーミル・トロップさん達の反応として聞くと、ソ連音楽界へのグールドの影響を具象的なものとして理解できる。そしてイリーナさんのお話を聞くことによって、CDやDVDのなかだけの存在としてしか捉えられなかったグールドが、現実存在として感ずることが初めてできた。

冒頭で弾かれる「ゴルトベルク変奏曲」の主題が終章でもう一度現れるが、円環は閉じられるのではなく、反復し変奏することで永劫性を獲得するのだという解釈は、「マタイ受難曲」の終章合唱が第一合唱とおなじ曲が繰り返されることによってイエスの復活が意味されることと同じ構成であり、バッハの音楽のコノテートがキリスト教教義をなぞっていることが自ずと理解される。


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演奏後サインをするイリーナさん。1時間の集中後なのに。

「ミューズと前衛 ~革命前夜のロシア・ピアノ音楽」
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■「小山実稚恵の世界」      samedi 23 juin 2012 [■Cinéma et Musique]

オーチャードホールで行われた小山実稚恵さんの「ピアノで綴るロマンの旅~月明かりに揺れて~」を聴きに行く。
曲目は
■バッハ「平均律クラヴィーア 第2巻14番嬰ヘ短調BWV883」
■シューマン「4つの夜想曲」
■ベートーヴェン「ソナタ第14番『月光』」
■ショパン「ノクターン第5番」、「ポロネーズ第7番『幻想ポロネーズ』」
■ドビュッシー「映像第2集より第2曲『そして月は廃寺に沈む』」、「ベルガマスク組曲より第3番『月の光』」
■ラヴェル「グロテスクなセレナード」「ラ・ヴァルス―舞踊詩」
アンコール
■ショパン「ノクターン『作品9-2』」
■シューベルト「即興曲『作品142-3』」
■ショパン「ワルツ『作品69-1(第9番)』」

まず、というか、いきなり「平均律」で入る。ロマン派の香るバッハということだろうか。グールドやシフの「平均律」を聴いていると、小山さんのペタルを使う演奏がロマンティックに聴こえ違和感を覚える。もちろんこの「平均律」も魅力的なのだが、バッハではないと記憶が言うのだ。

有名なソドミ・ソドミで始まるベートーヴェンの「月光」だが、第1音のソとドのあいだが微妙に空いてしまい冗漫な出だしになってしまった。そのため後半のテクニカルな小節のスピードが異常に速まってしまい、音が潰れミスタッチ(僕は当然分からなかった)があったようだ。

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アンコールで演奏されたシューベルトが一番闊達に弾かれていたようだったが、ドビュッシーの少ない音で空間を想像させる曲は素晴らしく陶然とするばかりだった。可哀想だったのはイメージ化が図られる時に観客が咳をしていたことで、コンサートを止めてしまったグールドも斯く哉。

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●杉明日香写真展『      、の続き』      samedi 19 mai 2012 [■Cinéma et Musique]

先週行われた、杉明日香写真展「ナミブ 夢の続き、」の後半「     、の続き」を観る。

前半がアフリカの絵葉書のような自然を切り取っているのに対し、後半は資本主義が如何にアフリカの資源に巣食っているか1枚1枚から見ることが出来る。
巨大なトラックやパイプラインの異様さが属領化されたアフリカ大陸の病巣を浮かび上がらせているが、なぜかそれもが美しく見える。

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■林明日香写真展     samedi 12 mai 2012 [■Cinéma et Musique]

高田馬場「Galley Bar 26日の月」の隣にできた「三日月ギャラリー」で林明日香さんの展示会「ナミブ 夢の続き、」が開催されているので、朝日カルチャーセンターの帰りにぶらぶらと寄ってみる。

焼けた平原の向こうに神秘性ばかりではないアフリカの貧困も垣間見れようが、この作品だけは自然の美しさだけを堪能したい。

「三日月ギャラリー」
新宿区高田馬場2-14-5
[電話]3200-0675
林明日香 写真展「ナミブ 夢の続き、」2012.5.8~13
           「          、の続き」5.15~20

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■John Cage 4'33" 1er mai 2012 [■Cinéma et Musique]

ただ1曲僕も弾けるPianoSolo曲がある。

ソナチネやベートーベンのガボットなんかじゃない。
武満徹の「ノベンバー・ステップ」の次に好きなジョン・ケージの「4分33秒」です。



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■想い出のサンジェルマン Le Desordre a Vingt Ans 1967  samedi 28 avril 2012 [■Cinéma et Musique]

朝日カルチャーセンター新宿・加賀野井秀一「20世紀思想の再検討 実存主義と現象学」第2回実存主義者の風俗―時代背景とマルクス主義。

別の知の境域から見れば代替でしかないが、Spenglerの「西洋の没落」、Valery「精神の危機」を援用してプラトン主義、キリスト教的精神、人間中心主義という西洋知の瓦解を浮かび上がらせたあと、時代を受けるかたちで出現した実存主義の分野に移るわけだが、サルトル「実存主義とは何か」で簡略に実存主義の存在論を説明する。缶詰の中の一個のグリーンピース、キャフェの演技するボーイなどともに有名なペーパーナイフの被投的存在の例は非常に分かりやすい。

そのあと、実存主義の発生の現場を戦後パリの文化状況をみせるということで、『想い出のサンジェルマン』を短縮して視聴。ボリス・ヴィアン、ジュリエット・グレコのほかにも、サルトル、ボーヴォワールが出ているが、アントナン・アルトー Antonin Artaud が出演しているのは失念していた。アルトーは1948年歿だから肉体的にはどうにか間に合っているのだ。
「思考が発動する契機を思考しえないという無能力」によって「言語が盗まれている」(「フランス哲学・思想事典」 弘文堂 1999年)

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