■「小山実稚恵の世界」 samedi 23 juin 2012 [■Cinéma et Musique]
オーチャードホールで行われた小山実稚恵さんの「ピアノで綴るロマンの旅~月明かりに揺れて~」を聴きに行く。
曲目は
■バッハ「平均律クラヴィーア 第2巻14番嬰ヘ短調BWV883」
■シューマン「4つの夜想曲」
■ベートーヴェン「ソナタ第14番『月光』」
■ショパン「ノクターン第5番」、「ポロネーズ第7番『幻想ポロネーズ』」
■ドビュッシー「映像第2集より第2曲『そして月は廃寺に沈む』」、「ベルガマスク組曲より第3番『月の光』」
■ラヴェル「グロテスクなセレナード」「ラ・ヴァルス―舞踊詩」
アンコール
■ショパン「ノクターン『作品9-2』」
■シューベルト「即興曲『作品142-3』」
■ショパン「ワルツ『作品69-1(第9番)』」
まず、というか、いきなり「平均律」で入る。ロマン派の香るバッハということだろうか。グールドやシフの「平均律」を聴いていると、小山さんのペタルを使う演奏がロマンティックに聴こえ違和感を覚える。もちろんこの「平均律」も魅力的なのだが、バッハではないと記憶が言うのだ。
有名なソドミ・ソドミで始まるベートーヴェンの「月光」だが、第1音のソとドのあいだが微妙に空いてしまい冗漫な出だしになってしまった。そのため後半のテクニカルな小節のスピードが異常に速まってしまい、音が潰れミスタッチ(僕は当然分からなかった)があったようだ。
アンコールで演奏されたシューベルトが一番闊達に弾かれていたようだったが、ドビュッシーの少ない音で空間を想像させる曲は素晴らしく陶然とするばかりだった。可哀想だったのはイメージ化が図られる時に観客が咳をしていたことで、コンサートを止めてしまったグールドも斯く哉。
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