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●イリーナ・メジューエワ「ゴルトベルク変奏曲」  samedi 25 aout 2012 [■Cinéma et Musique]

朝日カルチャーセンターコンサート講座
バッハの「ゴルトベルク変奏曲」を、イリーナ・メジューエワさんの演奏で聴く。

演奏の前に音楽ジャーナリスト伊熊よし子さんとのお話があったが、ソビエト・ロシアの演奏者にグレン・グールドの影響が如何に多大であったかということを知った。グールドの演奏旅行がロマン派中心であったソ連音楽界に衝撃的であったということは、多くの書物やカナダのドキュメンタリー番組にも残っている。それを、イリーナさんの師であるウラジーミル・トロップさん達の反応として聞くと、ソ連音楽界へのグールドの影響を具象的なものとして理解できる。そしてイリーナさんのお話を聞くことによって、CDやDVDのなかだけの存在としてしか捉えられなかったグールドが、現実存在として感ずることが初めてできた。

冒頭で弾かれる「ゴルトベルク変奏曲」の主題が終章でもう一度現れるが、円環は閉じられるのではなく、反復し変奏することで永劫性を獲得するのだという解釈は、「マタイ受難曲」の終章合唱が第一合唱とおなじ曲が繰り返されることによってイエスの復活が意味されることと同じ構成であり、バッハの音楽のコノテートがキリスト教教義をなぞっていることが自ずと理解される。


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演奏後サインをするイリーナさん。1時間の集中後なのに。

「ミューズと前衛 ~革命前夜のロシア・ピアノ音楽」
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