■想い出のサンジェルマン Le Desordre a Vingt Ans 1967 samedi 28 avril 2012 [■Cinéma et Musique]
朝日カルチャーセンター新宿・加賀野井秀一「20世紀思想の再検討 実存主義と現象学」第2回実存主義者の風俗―時代背景とマルクス主義。
別の知の境域から見れば代替でしかないが、Spenglerの「西洋の没落」、Valery「精神の危機」を援用してプラトン主義、キリスト教的精神、人間中心主義という西洋知の瓦解を浮かび上がらせたあと、時代を受けるかたちで出現した実存主義の分野に移るわけだが、サルトル「実存主義とは何か」で簡略に実存主義の存在論を説明する。缶詰の中の一個のグリーンピース、キャフェの演技するボーイなどともに有名なペーパーナイフの被投的存在の例は非常に分かりやすい。
そのあと、実存主義の発生の現場を戦後パリの文化状況をみせるということで、『想い出のサンジェルマン』を短縮して視聴。ボリス・ヴィアン、ジュリエット・グレコのほかにも、サルトル、ボーヴォワールが出ているが、アントナン・アルトー Antonin Artaud が出演しているのは失念していた。アルトーは1948年歿だから肉体的にはどうにか間に合っているのだ。
「思考が発動する契機を思考しえないという無能力」によって「言語が盗まれている」(「フランス哲学・思想事典」 弘文堂 1999年)
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