SSブログ

■茨木のり子       dimanche 15 aout 2010 [■Livre]

昨日の夕刊の一面に茨木のり子の記事が載っている。「あの夏 赤い花 失った青春詩人万感 終戦翌日のカンナ今も線路脇で」として「根府川の海」が紹介されているのだが、他に記事は無かったのか。

で、別の詩を引用。


戦争責任を問われて
その人は言った
  そういう言葉のアヤについて
  文学方面はあまり研究していないので
  お答えできかねます

思わず笑いが込みあげて
どす黒い笑いの吐血のように
噴きあげては 止まり また噴きあげる

三歳の童子だって笑い出すだろう
文学研究は果さねば あばばばばとも言えないとしたら
四つの島
笑(えら)ぎに笑(えら)ぎて どよもすか
三十年に一つのとてつもないブラック・ユーモア
野ざらしのどくろさえ
カタカタカタと笑ったのに
笑殺どころか
頼朝級の野次ひとつ飛ばず
どこへ行ったか散じたか落首狂歌のスピリット
四海波静かにて
黙々の薄気味わるい群衆と
後白河以来の帝王学
無音のままに貼りついて
ことしも耳すます除夜の鐘

「四海波静」1975年11月『ユリイカ』(『自分の感受性くらい 〈新装版〉』 花神社 2005年)

DSC02426.JPG

1975年訪米から昭和天皇が帰ってインタビューし、ミッキーマウスの腕時計をしているということが報道され、絶望的な憎悪と嫌悪感を感じた事を思い出す。

8月20日朝日新聞夕刊
群馬県高崎市・県立土屋文明記念文学館で開かれている「茨木のり子展」の記事が掲載された。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。