■「景清」「杜若」 dimanche 13 juin 2010 [■能狂言]
観世九皐会七月定例会 神楽坂・矢来能楽堂
能「景清」(シテ・弘田裕一)、「杜若」(シテ・遠藤和久)
狂言「六地蔵」
「景清」
平家没落後、宮崎に流され盲目の乞食となった悪七兵衛景清。父のもとを訪ねる娘人丸に自分の身を明かそうとしない景清の想いと娘の思慕が交錯する。
鎌倉へ帰る娘を送り終演となるが、終演後弘田師演じる景清は橋掛りから揚幕のなかまで盲目の杖を突きながら歩を探していた。しかし、観客は幕の数メートル手前で拍手をしてしまった。そこで観客は今日の能を破壊してしまったのだ。鏡の間にコツ、コツという杖の音が聞こえなくなるまで耳を澄まし拍手はすべきでなかった。演者に対して観る側の妙位を上げなければならない一瞬であった。
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