■「千手」「鵜飼」 samedi 14 juin 08 [■能狂言]
観世九皐会6月例会(神楽坂・矢来能楽堂)
能「千手」(シテ・鈴木啓吾、ワキ・工藤和哉)、「鵜飼」(シテ・坂真太郎)
狂言「清水」(シテ・野村万作、アド・野村万之介)
「千手」「鵜飼」とも能の演目としてはたいへん有名なもの。
「千手」の終幕、刑場の露と消えることが決まった重衡と、一夜の宴の後別れるに至った巴の刹那の邂逅は、数百年に亘って観賞に堪えた珠玉のシーンである。
「鵜飼」は言うまでもなく殺生を続けた鵜使いの亡霊が安房の僧侶(日蓮という俗説もあるらしいが)の弔いで成仏するという話である。簡単な構成であるが、石和川周辺で行なわれていた鵜飼いの様が垣間見ることが出来て興味深い。
狂言はなんと言っても、野村万作師の太郎冠者の鬼に化けた声色の変化が楽しい。野村万作師の所作を堪能するだけで価値があるというものである。
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