■池田晶子さん逝去 vendredi 2 mars 07 [■追悼]
2月23日哲学の池田晶子さんが亡くなられた。まだ46歳である。腎臓癌だったそうだ。
木田元さんが、池田晶子さんの『メタフィジカル・パンチ――形而上より愛を込めて』の文庫あとがきで、25年前のことを書いている。
1980年12月に八王子の大学セミナーハウスで泊り込みで行われた、サルトルのゼミナールに学生の池田晶子さんが出席していたのだ。僕もそのセミナーの海老坂武さんのゼミに参加していたのだが、池田さんは木田さんのゼミだったそうだ(たしか現象学についてのことではなかったか?)。
その年の4月に亡くなったサルトルは最早日本でも読まれていなかったが、学部生院生が20~30人集っただろうか。講師は木田さんのほかに、平井啓之先生、白井健三郎さん、海老坂武さん、今村仁司さんだった。確か全体の基調報告は竹内芳郎氏だった。
僕は、当時激しく争われていたポーランド・連帯運動への言及と、サルトル受売りによるソビエト批判をしたが、10年後にソ連が崩壊するなどとは想像だにしなかった。しかし、官僚化し硬直した組織が人民に見放されていたことは自明だが、マルクス主義の有効性は別物であるのは今も変わらない。
そのサルトル・セミナーの木田元さんのゼミに池田さんがいたのである。今手許にある集合写真を見ても、どの人が池田さんであるか分かりませんが、確かにそこにいるのである。
あまりに早い死だった。心からご冥福をお祈りいたします。
1980年12月八王子・大学セミナーハウス
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