観世九皐会10月定例会 9 oct 05 [■能狂言]
矢来能楽堂・観世九皐会10月例会
能「三井寺」(シテ・駒瀬直也、ワキ・工藤和哉)、「融」(シテ・遠藤喜久)。狂言「柑子」(こうじ、シテ・善竹十郎)
「三井寺」は狂乱物。離別した親子が再会する女物狂の典型的なものだが、駒瀬直也さんの舞は凛として非常に良かった。子方の台詞が長く少し冷や冷やして観てしまった。
「融」は、汐汲みの場面を遠藤喜久さんがどう演ずるか、以前観た永島忠侈さんの舞いと比べてしまう。永島さんは両肩に掛けた汐汲みの桶を、舞台中央のキザハシと目付柱の間から舞台下に片方ずつ提げ、実際に汲むようにして見せた。装飾装置を排除し、抽象化した舞台上で極めて現実的な所作で舞った永島さんの解釈に感嘆させられた。それに対し今回の遠藤さんは舞台上で桶を二つとも一緒に放り投げた。永島さんのリアリスティクな演出と比較してみると、解釈が一般的過ぎるのではないか。どうだろう。
「柑子」は太郎冠者が頂き物を食べてしまうというおなじみのもの。それを善竹十郎さんが明朗に演じられ、安寧な時間だった。
↑入り口にいた汐を汲むクマ(イヌ?)。こういう小さな遊びが楽しいのである。
神楽坂で飲んだ後、高田馬場に戻り、<26日の月>
早稲田の音楽同好会の大塚さんと隣り合わせになった。25年ぶりかもしれない。いや、酩酊時の作られた記憶か。
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