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●西本智実指揮「第九」       jeudi 29 dec,2011 [■Cinéma et Musique]

有楽町の東京国際フォーラムに、ベートーヴェンの「第9番合唱付き」を聴きに行く。

人気の高い西本智実さんは、しなやかでダイナミックな動きがみていて清々しい。僕の偏見はその指揮棒を捧げる動きに欲望機械となって陶然となるが、目的をもった炸裂した動きに圧倒されてしまう。躍動感溢れる指揮ぶりが人気が出るのは宜なるかなである。

しかし、演奏会の外縁は最悪である。
演奏が始まる前ステージ脇のモニターから協賛のスズキのテレビCMが流れ続ける。そして、主催のTOKYOFMのアナウンサーが満足げに進行を進めてゆく。演奏者が着席し、指揮者がステージに現れた後、タレントの山田邦子さんがオペラ歌手よろしく歌いながら登場し一頻時間を潰し、自分も歌うのだと宣言する。
壇上の合唱とは別に、客席後部にステージに上がれない一般の参加者が控える。演奏のステージの音は籠り、後部から聞こえる合唱の声はぼやけてメリハリがない。

合唱が終わると、壇上にいたタレントや女優などの芸能人がステージの前面に並び、一般合唱参加者と共有した卑劣な共犯関係に満足し欺瞞的な笑みを浮かべている。
芸能人はこういところに立つ資格があるのだろうか。2011年にあってこんなに醜い集合体があるだろうか。演奏をぶち壊しにする反吐が出そうな時間だった。

最初からこのような弛緩した演奏会と分かっていたなら、もっと少人数でもよい「歓喜の歌」を探すべきだった。いや初めからロ短調ミサ曲を探すべきだった。

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