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●NHK「銀閣よみがえる  その500年の謎」   dimanche 30 mai 2010 [■vie]

NHKBS-hi「ハイビジョン特集 銀閣よみがえる ~その500年の謎~」 (22:45~24:15)を観る。

2007年秋から解体、調査・修理をしていた慈照寺・銀閣をレポートしている。
15世紀中葉、応仁の乱後の殺伐としたなかで、足利義政の自然と融和した美意識が見て取れる。その東山を後背とした世界観は世情と乖離し、民衆の疲弊した生活とはまったく異なる、研ぎ澄まされた静謐な精神が浮かびあがっている。将軍職を引いた後美の世界に没入することは、仏教の教えと齟齬はないか内面は今は問わないが、現代においても首相職を投げだした後、陶芸、書など悠々自適な生活をしている細川護熙氏を想起できる。


銀閣の調査によって分かった点はいくつかあったが、我々のような門外漢でも興味を惹くものがあった。

①一層と二層の向きが異なっている。
 仏殿として考えられる二層は観音像が向いている南側が正面、これに対して一層は庭園に面した東側が正面。
 一階二階の向きが異なるのは日本建築には無いものである。

②銀閣に彩色が施されていた。
 ・観音澱二層軒下梁から文様がみつかり、緑色の顔料が残っていた。
 ・板壁にのこる白色断片の成分分析から、珪素、アルミニウムが検出され、銀閣外壁は白土によって塗られていたことが分かった。

放送では、白土の白の輝きを銀閣として記憶したのではないかと推測していた。中世の日本人が記憶の変容・昇華を事物に名づけるという作業をしていたことに驚かされる。

prog_100530_hvsp.jpg
銀閣寺・NHK番組HPより

 


 


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