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◆ワールドカップ日本開催と宿沢広朗氏  mercredi 29 juillet 2009   [■ラグビー]

2019年のワールドカップが日本開催で決まった後、『宿澤広朗 勝つことのみが善である―全戦全勝の哲学』(永田洋光 文春文庫 2009年)を手に取った。監督として89年のスコットランド戦勝利、そしてオープン化によるトップリーグの立ち上げを成し遂げた宿沢さんが、ワールドカップ招致に如何に関わっていたか、なにか言及しているか知るためだ。

結論から言えば、残念ながら、この本が書かれた時と今回の招致活動は時間的間隔があるため、明快な発言は見出すことは出来なかった。しかし明らかなのは、宿沢さんは、ワールドカップを日本に招致することを目的ではなく、日本ラグビーが隆盛する方法論として戦略的に考えるだろうということだ。
これまで日本ラグビー協会はワールドカップ終了後にチームを解体して、それまで構築してきた戦略や戦術を無に帰す愚を繰り返してきた。協会のこのような無定見が日本ラグビーの低迷を招いた一因であることは、我々のようなファンにも容易に分かることである。その度毎のジャパンの解体は、監督であった宿沢さんも忸怩たるものがあっただろうことは推測できる。組織論としての批判は絶望をもって胚胎されたのではなかろうか。

確認しておくべきことは、開催自体が喜ばしい目的ではないということだ。飽くまでも目的はワールドカップで日本が勝つことなのである。
2019年の日本大会まで協会がこれまで行なってきたような無定見を繰り返すなら、結果は悲惨なことになるだろう。運営に関する組織委員会の立ち上げは急ぐ必要はないが、選手育成システムはトップリーグを頂点に一元化して早急に構築しなければならない。ワールドカップの日本開催は、ラグビーが国内で注目されるという意味はある。しかしながら、日本が勝たなければ何の意味もない。それより逆に日本開催で結果が出なければ、10年後日本ラグビーは死の宣告をうけることになるのだ。協会の長期的戦略は極めて重要なものとなる。しかし、世界的視野を持った宿沢さんはいない。


宿澤広朗 勝つことのみが善である―全戦全勝の哲学 (文春文庫)

宿澤広朗 勝つことのみが善である―全戦全勝の哲学 (文春文庫)

  • 作者: 永田 洋光
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/06/10
  • メディア: 文庫

 


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