■フーコー『わたしは花火師です』 17 mercredi sept 08 [■Livre]
ミシェル・フーコーの『わたしは花火師です――フーコーは語る』(ちくま学芸文庫)
思想集成に収録されていない対談・講演が集められている。とくに目新しい言説は無し。文庫化して、他の著作よりも容易く手に入るようにする必要のある文章ではない。
<知という概念は、特定の分野において、ある瞬間においてうけいれられるものとなるすべての手続きとすべての知識の効果を指します。次に権力という概念は、ディスクールや行動を誘発するとみられる特定のメカニズム、一連の定義可能な、あるいは定義された特定のメカニズムの全体を指すに過ぎません。
(中略)
分析のすべての段階において、この知と権力の概念に、規定された精密な意味を与えることが重要になります。どのような知の要素なのか、どのような権力のメカニズムなのかを示せることが大切なのです。一つの知や一つの権力が存在すると考えてはなりません。単独で機能する知そのものとか権力そのものがあると考えるのはもっとまずいのです。知も権力も、分析のための格子にすぎません> pp103-104
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