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■「井筒」「錦木」       dimanche 10 aout 08 [■能狂言]

●神楽坂・矢来能楽堂、観世九皐会8月定例会。
 能「井筒」(シテ・弘田裕一)、「錦木」(シテ・佐久間二郎)
 狂言「蚊相撲」(シテ・三宅右近)

「井筒」
紀有常の娘が、在原業平の冠と衣を着け、井筒に自分の姿を映し業平の面影に悄然とし、暁を告げる鐘の音と供に去って行く。この場面は能演目の中でも、有数の名場面であろう。シテを舞った弘田裕一師は、いつも中国の故事を題材にする演目が多いようだが、この「井筒」では幽玄に満ちた舞をみせて頂いた。

「錦木」は、佐久間次郎師の舞もメリハリがあって素晴らしいのだが、それにも益して世阿弥元清の謡本の内容に吃驚された。
「錦木」は陸奥地方の「求婚伝説」を題にしたもので、男尊女卑の中世にあって、かなり現代性のある皮肉の籠もった話である。陸奥地方では好きな女がいる場合、男はその女の家の門に錦木を立て求婚するのだ。そして、その男の求愛を受ける時はそれを受け取り、逆に拒否する時はそのまま放置するのだそうだ。「錦木」では3年立て続け放置され続け死んでしまった男の話だ。このような内容の本が中世に成立するとは、極めて特異な成立過程があったのではないかと思われる。

浪本老先生は過ごし易い天候だったせいか、佐久間師の舞や所作を乗り出すように見入っていた。さすがです。

 

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夕食は高田馬場。一週間もノンアルコールだったので、夕食のワインが進んだ進んだ。


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