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■鈴木信太郎 「記憶の蜃気楼」  dimanche 2 juillet 2000 [■Livre]

無知なのと、まったく興味がないのとで、歌舞伎のムラ社会を「梨園」と呼ぶのだということを知らなかった。多分これからもその閉鎖的な社会のことを調べることはないと思う。そのムラ社会の代表的な役者と結婚した元フジテレビの近藤サトさんの離婚会見を聞いた。他人のことなので個人的な理由は興味がないし、どうでも良い。で、その話しのなかで愚かしく思えるのは、ムラ社会の第三者か、その社会に自己同一化しているらしい誰かに「子供をつくるな」と言われたらしい事だ。前妻との子供がいるらしく、秩序ある「梨園」の混乱を恐れたらしい。

その社会の中で様式美だけを追求する伝統芸能体現者の夫、同情的な発言をして見せるが、如何にもということしか言わない前妻、離婚の会見の席上でも「梨園」の良き妻を演じる妻。なんとも封建的な呪われた社会である。こんな駄文を書くことも反吐が出る。

鈴木道彦さんの父、鈴木信太郎さんの文章がある。
「私は宝塚歌劇が大嫌いだった。半男女のような卑俗な見世物と頽廃的な自涜的な少女の熱狂には、虫酸が走るような気がした。また一方で、歌舞伎は脚本のくだらなさと非論理非文明に愛想がつきて、子供に見せる気が起こらなかった。」(『記憶の蜃気楼』 講談社文芸文庫)

記憶の蜃気楼 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

記憶の蜃気楼 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

  • 作者: 鈴木 信太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1991/01 メディア: 文庫


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