SSブログ

◆六本木CINE VIVANT    12 nove,1999 [■Cinéma et Musique]

光子さんと尚ちゃんとの会話で六本木のCINE VIVANTが閉館する話になった。
さして映画は観ないのでシネ・ヴィヴァンで何本観たかすぐ思い出せる。

そのなかで特に記憶にあるのが1987年の『満月の夜』(“les Nuits de la pleine lune” 1984 Eric Rohmer)と、1997年の『そして僕は恋をする』(“Comment je me suis dispute...<ma vie sexuelle>” 1996 Arnaud Desplechin)の2本。ともに饒舌な、よく言われる自己中心的とも取れるほどの自我の現前が行われるフランスらしい会話が続き、観ていて思わずフランスだ、と笑ってしまうほどフランス映画らしい。

エリック・ロメールの『満月の夜』はPascale Ogierの演ずる我侭で自分勝手な女の子が印象的だったが、それよりもパスカル・オジエその人の方に目がいってしまった。彼女はこの作品が出来たすぐ後に24歳で亡くなっている。シネ・ヴィヴァンで公開されたときはもう生きていなかったのだ。「二人の女を持つ者は魂を失い、二軒の家を持つ者は理性を失う」、このフランスの諺にもとずく喜劇がシニカルだった。

デプレシャンはいまでは珠にWOWOWで観られるが、ちょっとトリュフォーににていた記憶がある。フランス人のまるで68年の大学生のようなお喋り……日本の大学生のお喋りにない知的さと聡明さはあるが、楽観的過ぎやしないか。まあ、日本のバカ学生よりはいい……、それがデプレシャン!
ラルースのフランス映画辞典を見たらパスカル・オジエは1960年生まれ、パンフによればデプレシャンも同じ年の生まれだ!

シネ・ヴィヴァンは西武系だろうか? 美術館や映画館、はたまた劇場、スタジオなどから予算をカットしていくが、その美術館や映画館があったから本体である百貨店に足が向いていたことが分析できないのか。それより、そんなこと考慮できないところまで来ているのか。文化が最初に切り取られていくが、それは言い換えれば、最初に「人間」を切り捨てていることなのだ。文化度の低い企業だ。それが日本であるのだろう。しかし映画館を辞める前に野球チームを辞めればいいのに。

11JJ03DBHFL__SL500_AA140_.jpg
 そして僕は恋をする [DVD]
  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • メディア: DVD


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。