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2016-01-22 [■Livre]

「レイシズムを解剖する―在日コリアンへの偏見とインターネット」
(高史明 勁草書房 2015)

ネット上に溢れる差別言表を栄養する、二つの保守的イデオロギーの縺れを俯瞰した本です。
二つの保守的イデオロギーとは、

1.「右翼的権威主義」
アドルノが考案した権威主義パーソナリティ概念をアルトマイヤーが発展させたもので、...
①権威者に盲目的に従う「権威主義的服従」
②権威者が攻撃するように支持した対象に対する、あるいは権威に背くものに対する「権威主義的攻撃」
③伝統と習慣に固執する「因習主義」
など。

2.「社会支配指向」
社会を競争の場と捉え、集団を「優れたー劣った」という次元で捉え、また格差の存在を是認するイデオロギー。

右翼的権威主義が、世界は危険だと考えこの脅威を回避するためには権威に従う必要があると考える文化的保守主義であるのに対して、社会支配指向は不平等を是認し競争的社会を支持する政治経済的保守主義である。
そのためこの二つは右翼的権威主義が「危険な外集団」(犯罪者、薬物使用者など)に対する偏見をよく予測するのに対して、社会支配指向は「軽蔑できる外集団」(身体的魅力のない人々、精神障害者、移民など)への偏見をよりよく予測する。


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