■サルトル「アルトナの幽閉者」 samedi 22 fev, 2014 [■Cinéma et Musique]
初台の新国立劇場小劇場に、サルトルの「アルトナの幽閉者」を観に行く。
2014年に何故サルトルをやるのか、社会的意味は何なのか、今一つ分からないと言うしかない。
フランツの戦時中の捕虜虐待が、1959年におけるフランス軍のアルジェリア戦争での捕虜拷問の現実として思考したフランス人のように、2014年の我々日本人は南京大虐殺や従軍慰安婦の問題を直接的に思考できているのだろうか。
サルトルが亡くなった1980年に八王子のセミナーハウスでサルトルのゼミが行われた。そのとき僕は海老坂武さんのもとでこの「アルトナの幽閉者」を読んだが、米ソの対立があり、イラン問題、ポーランドのグダニスク「連帯」もあり、論ずることは多かった。現在も問題は山積しているが、それを感じ、論ずる主体が脆弱化している。
出演者は父役の辻萬長さんしか知らず、フランツの岡本健一さん、レニ・吉本菜穂子さんの演出が誇張しすぎているように思えた。ヨハンナの美波さんも有名な方らしいが、すまんボクは分からない。
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