●鎌倉で花見 samedi 7 avril 2012 [■vie]
思いついて、朝7時の電車で鎌倉に桜を見に行く。
東京へ来るようがあったのに、久里浜線を西に載って『本居宣長』を書いた小林秀雄氏の東慶寺で桜を見たかったからだ。円覚寺で山門は漱石だったかなと……なにか思い出そうとしたけど止して、東慶寺にむかう。
松ヶ岡宝蔵の「水月観音菩薩半跏像」は通常前日までに申し込むことになっているが、2月の終わりから日曜日まで仏像展と題し特別拝観していると知り雀躍(正義は必ず勝つのです)。岩に凭れ足を組んだ半跏像は非常に艶めかしく、中宮寺の半跏思惟像が形而上学的な思索と普遍的な魅力があるのに対して、欲望を秘めた仏というアンビヴァランスを感じざるを得ない。仏像だけでみれば、鎌倉時代の認識論は既に近代の萌芽が見られるというべきだろうか。
和辻哲郎さんの墓
西田幾多郎さんの墓
鈴木大拙さんとビクトリア夫人の墓
で、その後、紫陽花で有名な明月院。このあたりは染井吉野ではなく山桜や枝垂桜、八重桜だからなのかまだ満開というわけではないようだ。鎌倉は桜の季節より、山笑う皐月が似あう。
鶴岡八幡宮の桜
で、鏑木清方記念美術館に寄り、日常に戻った春の一日だった。
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