●西早稲田・昇龍軒 vendredi 11 fev,11

源兵衛で夕飯を採っていたら２階から降りてくるグループがある。聞けば、「昇龍軒」が店を閉めるので懇意にしていた人が御主人と奥さんを招いて席を設けたらしい。

昇龍軒はいわゆる学生街の中華飯店で、早稲田通りに味覚破壊のラーメン屋が跋扈する２０年もまえから、穴八幡の脇に正しく佇立んで学生の腹を満たしてくれていた。メニューには炒飯もあったように記憶するが、なんだかいつも「龍豆腐」ばかり食べていたような気がする。
そしてなにより、店に入る時、美人でサンパティックな奥さんの「いらっしゃいませ～」というソプラノが和ましてくれた。
主人はヒマラヤにも遠征するアルピニストだったらしく、危険な登山も経験しているということだった。

５年も経てば閉店する猥雑なラーメン屋とは違う、街の食堂だった。


▼ある日の源兵衛。焼きそば３０円って