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金沢のカブラずし     mardi 7 janv,2003 [■酒と肴]

金沢出身の福村くんが、帰省のとき実家で作った「カブラずし」と「ダイコンずし」を持ち帰ったので、ご相伴に与った。カブラずしは石川の発酵ずし(ナレズシ)として有名だ。日比野光敏さんの『すしの歴史を訪ねる』(岩波新書 1999年)によると、イズシとよばれる発酵ずしは、他の地方の「魚・飯・塩・糀」の発酵ずしに、「野菜(プラス香辛材)」が入ることが特徴だそうで(福村家のものにはタカノツメが入っていた)、秋田の「ハタハタずし」と並んで知られている。この「魚・飯・塩・糀・野菜」という組み合わせのイズシは北海道から北陸への日本海側にあり、「糀」の代わりに「麦芽」を使う「シッヘ」という発酵食品が朝鮮半島東岸にも存在しているのだという、まさに「環日本海文化」を構成している食文化だ。

福ちゃんは実家のお母上が正月用に作っているそうで、物産展や土産屋で買うのとは違った家庭の味であり、正に「文化」の名に恥じない貴重な文化の佳味といえよう。輪切りのカブの間にブリの切り身を挟め発酵させたカブラずしは、ちょっと敬遠したい気もしたが、発酵臭も思ったものとはまったく違って豊饒とした香りだった。ヘラヘラと酒が進む進む。(ダイコンずしは身欠きニシンの切り身が挟まれる)(0109.03:35)

・日比野光敏『すしの歴史を訪ねる』(岩波新書 1999年)
・篠田統『すしの本』(岩波現代文庫 2002年、初版1970年柴田書店)


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