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『発言 米同時多発テロと23人の思想家たち』 mercredi 30 janv.02 [■Livre]

『発言 米同時多発テロと23人の思想家たち』(中山元編訳 朝日出版社)

Andre Glucksmannの文は昨今ほとんど翻訳されないが、イロニカルで衒学的な文章が特徴だといえるだろう(その昔、菅孝行氏が言っていたことだが)。 短い文章の中でもいやらしい言表が垣間見れる。

「『予想もできない』というが、予想できなかったのは、この計画されたカタストロフィが、技術的にこれほどの完璧な成功を収めたことだけだ」としたうえで、「2001年9月11日はつねに起こるだろう」としている。しかし、グリュックスマンらしくないのはニヒリズム(イスラム原理主義)の破滅を個人のユマニスムがもたらすかのように述べている点だ。

グリュックスマンは、世界貿易センタービル、ペンタゴンに突入した3機の航空機の次にホワイトハウスに突入するはずだったもう一機の航空機、UA93便の乗客が取った行動に言及する。乗客のうちの数人が食事のプラスティックナイフだけでテロリストに立ち向った行為についてだ。ニヒリズムの行動が市民の英雄的な行動を喚起させ、それによって自ら破滅をもたらすというのである。グリュックスマンにしてはあまりに楽観的で幼児的ではないか。

発言―米同時多発テロと23人の思想家たち

発言―米同時多発テロと23人の思想家たち

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 朝日出版社
  • 発売日: 2002/01
  • メディア: 単行本

 

 

G・ブッシュの一般教書演説において、「悪の枢軸」として北朝鮮、イラク、イランが名指しされ、対テロ戦争の対象として措定されていることが明らかになった。驚きはそこにイランの名前が存在することだ。1979年のイラン革命以来イスラム革命の象徴的な国家として、また、アメリカにとってはテヘランの大使館占拠事件の屈辱がある。 アメリカはアルカイダ壊滅に乗じて20年の恨みを晴らすつもりなのか。しかし、ハタミ大統領の就任を一例としてイランの感情は変化している 。データを見ても国会におけるイスラム聖職者の数は激減しているし、何よりもハタミ大統領の大統領再選などをどうとらえるのだ。こう考えるのは、「平和ボケした日本人」の体現なのであろう。


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