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フェルメール展    13 juin 2000 [■vie]

会期も押し迫ってきたので急遽、東京朝9時の新幹線に乗り大阪市立美術館に、「フェルメールとその時代」展を観に行って来ました。
フェルメールの作品は以下の5点です。
・「青いターバンの少女(真珠の耳飾りの少女)」(1665年頃)
・「天秤を持つ女」(1664年頃)
・「地理学者」(1668年頃)
・「リュートを調弦する女」(1664年頃)
・「聖プラクセディス」(1655年頃)

最も有名なのが、「青いターバンの少女」なのは言うまでもありませんが、「天秤を持つ女」も非常に良い。暗い部屋の中に浮かび上がる宝石を照らし出す窓の光。しかしそれよりも、女の被るベールから、顔、胸、左手にかけての光はどうでしょう。白を塗りこんで厚みのある、そして、純粋な光を描き出している。重要なのは、天秤で宝石を秤り、その後ろの壁には「最後の審判」が掛けられていることです。その時代背景はあのチューリップの時代であったろうか。享楽に堕した暗い時代と警鐘、そして、光。その時代を女のベールから見ることが出来ます。

青いターバンの少女は会場の照明が強すぎます。そのため額から頬にかけての輪郭が今ひとつ、緊張感の無いものになってしまった。照明を落とし、そのなかでも浮かび上がる少女の唇の光を見たいものです。しかし、その会場のライティングの問題を考慮に入れても、すばらしいものに変わりはありません。40センチ四方のカンバスの中に瑞々しい少女の息ずかいがよく分かります。

今回はついでながらと言ってはまことに申し訳ないが、ファン・デル・プールの「デルフト火薬庫爆発事故」も一緒に来ていた。高校生の時、日曜美術館で観たときから、実物を観てみたいと思っていたものでした。フェルメールの代表作と同じく、40×30位しかない小品だが、名作と言っていいものだ。来ているとは思っていなかったので感激しました。


それにしても大阪の人はすごいねえ。美術館の周りの天王寺公園の、あちらこちらでカラオケ大会をしている。雨の降る平日に路上生活者のテントから大音響がしているには圧倒されます。(周りはみんな関西弁だったし) 
会場のなかで整理のニーちゃんに文句を言っていることもすごいと思ったが、それが、当然ながら関西弁でやり取りされているのは、「青いターバンの少女」からいきなり異境の地に投出された気分になり、感動的でもあった(ウソだけど)。そのおじさんの行為を蔑んだように嘲笑していたカップルもやはり関西弁だった。

概して、本日の関西の印象は○である。文句は大阪市美術館の運営のまずさだろう。会場内の整理は悪い、絵画の配置も良いとは思われない。また、「青いターバンの少女」のポスターを公園中に露出して盛り上げようとしたのだろうが、剥がれたり、風に吹かれたりして見苦しくなったものは、即時対応すべきである。この作品の印象を非常に悪くすることになる。


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