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■「夕顔」「菊慈童」    dimanche 10 oct,2010 [■能狂言]

観世九皐会10月例会(神楽坂・矢来能楽堂)
能「夕顔」(シテ・鈴木啓吾)、「菊慈童」(シテ・遠藤六郎)
狂言「名取川」(シテ・野村万作)

能は二番とも季節のものであった。残念だったのは「菊慈童」のシテ遠藤六郎さんの舞が重い感じがしたことだ。高齢のこともあろう。先達に対し後輩のしなければならない作業があるようだ。

「名取川」は二つの名前をもらった僧が両袖に名前を書いて忘れないようにするが、名取川の深みで文字が消えてしまう。それを思い出すまでの野村万作師の所作が滑稽で愉快である。

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終演後矢来の御老人が「源兵衛」に連れて行けとうるさい。またまた早慶戦の第1試合入場券ベンチ裏1列目指定券を所望して大勢の人を煩わせるのだった。老人は源兵衛の脇に廻ったりして、50年前の学生時代の記憶を辿っていたようだがなにも思い出せないようだった。そこで中原中也が2階に下宿していたのだという定番の話題をふったが、さして興味を示さなかった。

*1925年(大正14年) 18歳
3月、泰子と共に上京、豊多摩郡戸塚町(現新宿区)源兵衛195林方に下宿。早稲田を受験しようとしたが手続き上できない。(大岡昇平編 『中原中也詩集』 岩波文庫)


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■「梅枝」「熊坂」    dimanche 8 aout 2010 [■能狂言]

観世九皐会8月定例会(神楽坂矢来能楽堂)
能「梅枝」(シテ・弘田裕一)、「熊坂」(シテ・古田充)
能「水掛聟)

「梅枝」は、宮中で住吉の楽人富士と天王寺の楽人浅間が管絃の役を争った「富士太鼓」の続編ともいうべき作品。浅間に討たれた富士の妻の霊の執心が浮き出てくる。

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■「景清」「杜若」      dimanche 13 juin 2010 [■能狂言]

観世九皐会七月定例会 神楽坂・矢来能楽堂
能「景清」(シテ・弘田裕一)、「杜若」(シテ・遠藤和久)
狂言「六地蔵」

「景清」 
平家没落後、宮崎に流され盲目の乞食となった悪七兵衛景清。父のもとを訪ねる娘人丸に自分の身を明かそうとしない景清の想いと娘の思慕が交錯する。
鎌倉へ帰る娘を送り終演となるが、終演後弘田師演じる景清は橋掛りから揚幕のなかまで盲目の杖を突きながら歩を探していた。しかし、観客は幕の数メートル手前で拍手をしてしまった。そこで観客は今日の能を破壊してしまったのだ。鏡の間にコツ、コツという杖の音が聞こえなくなるまで耳を澄まし拍手はすべきでなかった。演者に対して観る側の妙位を上げなければならない一瞬であった。
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■「箙」「国栖」      dimanche 11 avril 2010 [■能狂言]

観世九皐会四月例会 (神楽坂・矢来能楽堂)

能「箙(えびら)」(シテ・坂真太郎)、「国栖(くず)」(シテ・長山禮三郎、姥・古川充、天女・長山耕三)
狂言「鬼瓦」

「箙」は、源氏方侍・梶原源太景季(かげすえ)が梅の枝を箙に挿して戦ったという、「平家物語」「源平盛衰記」から題をとったもの。さらっと舞っておわったという感がする。

「国栖」は都を追われた大海人皇子(天武天皇)に献上した国栖=鮎を川に放すと生き返る、鮎が生き返るということで大海上皇子が都に帰る吉兆ととらえる。献上した老夫婦は、大海人皇子を追ってきた大友皇子の配下の者を追い返し、難を逃れるが、能楽ではあまり見られぬ演出となっている。皇子を舟の陰に隠すことや狂言方が弓を引いて打ち入ってくるリアリティのある演出は珍しい。

京都から国もとへ帰る男が鬼瓦をみて田舎の妻を思い出す「鬼瓦」は、狂言の題材の中でも著名なものだろう。ご婦人たちが明るく笑って、愉快な作品だ。

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「箙」は梅の花でしたが



■とり酒場 わや 
 矢来町112-6
 6265-0881
 魚浅さんの小道を出て2階。創作料理がようござんした。


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■「忠度」「胡蝶」     dimanche 14 mars 2010 [■能狂言]

観世九皐会三月定例会(神楽坂・矢来能楽堂
能「忠度」(シテ・奥川恒治)、「胡蝶」(シテ・永島忠侈)
狂言「昆布売」(シテ・野村万之介)

朝敵の名を蒙った詩人薩摩守平忠度が、「千載集」に詠み人知らずとして載せられたこと嘆く「忠度」。奥川師がうまく纏められいた。
「行き暮れて木の下蔭を宿とせば花や今宵のあるじならまし」

「胡蝶」。すべての花に戯れることができるが、梅の花だけは縁がない蝶の舞。荘子の斉物篇や光源氏などの謂いを援用しながら構成している。前シテが橋懸で立ち止まるときの面が妙に艶艶しかったのはなぜだろう。

二作とも小品であるが、花をもちいた春らしい会となった。



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その後、神楽坂をぶらついて、
■「凛と」
神楽坂3-6-19
青柳LKビル地下1階
03-5261-4572


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■「采女」「鵺」       dimanche 14 fev,2010 [■能狂言]

観世九皐会二月定例会(神楽坂、矢来能楽堂)
能「采女」(シテ・中所宜夫)、「鵺」(シテ・桑田貴志)
狂言「宗八」(シテ・野村萬)

「采女」の上演時間は2時間、話題自体、また話題の散逸といい冗漫に思われたが、これを演じ切るシテ方の力量は大変なものだ。

狂言「宗八」は、料理が嫌になって僧侶になった男と、僧侶が嫌で料理人になった宗八が仕事を取り換える話。物を逆にするの話題はありそうだが、自分たちが交換するのはあまりないのではないか。設定が面白い。

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■「富士太鼓」「鞍馬天狗」    dimanche 13 dec 2009 [■能狂言]

観世九皐会12月定例会(神楽坂・矢来能楽堂)
能「富士太鼓」(シテ・長山禮三郎、子方・遠藤瑶実)、「鞍馬天狗」(シテ・観世喜之、牛若丸・奥山恒成)
狂言「鏡男」(シテ・野村万之介、アド・竹山悠樹)

「富士太鼓」は、殺された楽人・富士の妻が夫の装束をつけ舞うという狂乱物。遠藤瑶実さんは幾つなのだろう。まだ学童に上がる前だろうが立派にシテ方と遣り取りしていた。子方の声高の一本調子の台詞は、能という幽玄な芸能に適わない様にみえるが、その幼く稚拙なところが現実味をかもし出しているのだ。これは「鞍馬天狗」の子方奥山恒成さんにもいえるが、年の最後に良いものを観ることができた。

狂言「鏡男」。都から田舎の妻のもとに鏡を買って帰ったが、妻は初めて見る鏡が理解出来ず、鏡面に写った自分の姿を夫が都から連れてきた女だと憤激する話。この狂言の制作時の鏡というものの伝播と、鏡像を認知出来ない知のあり方に興味を覚えます。室町後期だと思われるが、鏡に写った像と自らを同一する認識論はまだ無かったということである。水面に写った姿で自らを知る、そんな機会もなかったのだろうか。

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■「江口」「猩々」     dimanche 11 oct.09 [■能狂言]

観世九皐会10月定例会 神楽坂・矢来能楽堂
能「江口」(シテ・弘田裕一)、「猩々」(シテ・五木田三郎)
狂言「墨塗」(シテ・三宅右近)

「江口」
かつて西行が一夜の宿を請い断られた時に詠んだ、「世の中を厭ふまでこそ難からめ 仮の宿りを惜しむ君かな」
西行への配慮で断ったのだという遊女の霊が世の儚さを説き舞う。そして、仮の宿の無常無をいい、普賢菩薩と化し西の空へ消える。シテ方の弘田師は、「邯鄲」など中国に題を取ったものを演じることが多いが、今回は遊女の霊と普賢菩薩の変化を刹那に演じきっておられた。

「猩々」は酒飲みとしては御めでたく楽しい舞でありました。

「墨塗」
離京の挨拶に来た大名を茶碗の水を頬に付けて誤魔化す女の策を、水を墨と入れ替え黒塗り顔にしてしまう太郎冠者。太郎冠者の機智とドタバタは、古典的な笑いを楽しむことができた。

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■「鳥追舟」「雨月」    demanche 13 sept 09 [■能狂言]

観世九皐会九月例会 神楽坂・矢来能楽堂
能「鳥追舟」(シテ・中森寛太、ワキ・森常好)、「雨月」(シテ・駒瀬直也)
狂言「謀生種(ほうじょうのたね)」(シテ・野村萬)

「鳥追舟」は、主人が訴訟のために都に10年も行っている。その妻子が家人によって労役に酷使させられているところに主人が帰って来て、家人を処罰しようとするのを妻子のとりなしで許す、という話。四番目の人情物。
「雨月」は、金春禅竹の西行物。金春だけあって構成は他とは違う。

秋になってかどうかは分からないが、明治通りから早稲田寄りの方も人が多くなってきた。この人出は止まりませんな。
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■「自然居士」「鐵輪」    dimanche 9 aout 09 [■能狂言]

観世九皐会八月定例会 神楽坂:矢来能楽堂
能「自然居士」(シテ・遠藤和久)、「鐵輪」(シテ・鈴木啓吾)
狂言「蝸牛」(シテ・山本則俊)

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