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■「小袖曽我」「鵜飼」    dimanche 10 juin 2012 [■能狂言]

観世九皐会6月定例会(神楽坂・矢来能楽堂)
能「小袖曽我」(シテ・観世喜正 ツレ・中森健之介)、「鵜飼」(シテ・古川充)
狂言「苞山伏」(シテ・野村万作)

「小袖曽我」は、曽我十郎祐成(シテ)と五郎時致(ツレ)の曽我兄弟が敵討ちの前、弟五郎の勘当を母に許される四番目もの。内容はシンプルである。
で、終盤兄弟の相舞があるのだが、そこで舞の力量の差が出てしまうようだ。若い中森師が直線的で硬い舞なのにたいし、喜正師の動きは柔らかく連続したもので、例えれば円を描くように舞っているようだ。所作の終点のとき膝に余裕を持たせ、着点で柔らかく動きを終わらせる。それが次の動きにも繋がり、舞に連続性がつき観ている側は陶酔感がうまれる。

また、喜正師が白大口の袴を着け正面を向き腰を下している姿は、鈴木大拙師が著した「朝日のまだ照りわたらぬ広場の白木の小舎に端坐する白衣」の「神道」の姿を体現しているかのようであった。――とはいえ、之と対峙して大拙師は「糞尿に手も汚れて、汗満身の野良男」に「霊性は具体の事実にその糧を求める」としているのであるが――

狂言の「苞山伏」は、眠っている山人の弁当を食べた男が山伏のせいにしようとしたが法力でバレるという話だが、野村万作師が軽妙に演じられた。がっははと笑うものではなかったが、能天気に笑えました。萬斎さんの高い声もそれなりに宜しいが、万作さんの枯淡もまた好いのであります。


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