■内澤旬子 『飼い喰い』 lundi 14 mai 2012 [■Livre]
内澤旬子さんの『飼い喰い』(岩波書店)を読む。
自分で実際に3匹のブタを飼い、屠って食べる。現代日本でそう簡単にできることではないが、育てて自分で食うことは原初の感覚を呼び起こすのだろう。
もちろん畜産を通して現代社会の側面も垣間見れる。1年育てた豚がたった2万円でしかなく、養豚家が年々廃業しているというのは、TPPに参加し今以上に廉価な豚肉が入ってくることを思えば、食料自給など壊滅的なことだ。
そして一番重要な点は、人間が動物を屠っていることを隠蔽していることが差別を生み出していることであり、本書のように屠畜の場面を顕在化させることが意識の変換をもたらす作業としては必要なことだということを今一度認識させてくれたことだ。
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