■琵琶湖・竹生島観光 dimanche 5-6 juin 2010 [■旅]
週末、矢来町のOBの御老人たちと琵琶湖に行って来ました。
東京を12時半に出て、湖北長浜のホテル「紅鮎」に逗留。部屋から琵琶湖が眼前に広がり、竹生島を見ながら内風呂に入ることができます。
夕ご飯は何品出たか記憶がありませんが、薄味で上品といえば良いのでしょうか、関東のドロドロ醤油味と縁を切りたくなります。本当のことを言ってしまえば、関西人も関西弁も漫才も好きではありませんが(ついでに言えばサッカーは嫌いです)、食べ物はどうしても関西に軍配をあげます。近江牛も美味しかったねえ。
?
翌朝は、長浜港から竹生島へ。竹生島が女人禁制でないのは島に祀るのが弁財天だからだという謡曲「竹生島」で有名だが、秀吉の遺命で東山の豊国廟から移築された唐門や本殿が小さな島の山腹に集まっている。
竹生島名物(かどうかは分からないけど)、弁天芋餅。ジャガイモを揚げ、砂糖醤油のタレが懐かしい。
長浜に戻り、真言宗の別院、長浜御坊大通寺を拝観した後、昭和2年創業の「住茂登」(すみもと)というお店でちょっと遅い昼食を頂く。開け放れた気持の良い2階の部屋で、接待も感じの良いものだった。
今回の旅行の目的の一つ、「鮒鮓」。人口に膾炙されている恐怖の鮒鮓がどのようなものなのか、是非とも挑戦せねばならない。
『すしの歴史を訪ねる』(日比野光敏・著 岩波新書)によれば、「鮨」は「魚のシオカラ」、「鮓」は「塩と米とで醸した漬物」であるとのことだ。今更説明の必要もないが、ナレズシですな。「寿司」は江戸期の当て字だそうだ。
「鮒鮓」に纏わる話は多い。日本最古のすし、どろどろのペースト状の物体とか、平安時代にすし売りがゲロをこそげ落としながら売ったとか、強烈な酸臭で捨ててしまったなど、魅力的な逸話に溢れている。
で、どれほどの恐怖の物体がでてくるかと、期待半分で待っていたら、いやな発酵臭はなく、橙色の卵の部分もしっかりしている。製作の方法は多少違うが富山のかぶら鮓に近い。呑んでた生ビールをやめて、直ぐ様冷たい「住茂登」を頼んでしまった。
お店の人の話によると、一軒一軒味が違い、その家の味があるということだ。漬物や味噌と同じで、塩や漬け方も日にちも違うだろう、長い家族の味があるってのはいいもんだ。
長浜辺りの琵琶湖はまだ水がきれいで鮒もよく、このお店の自家製鮒鮓はなかなか上品に出来ている。琵琶湖の南の方のニゴロブナは泥臭く、それをスシにすれば自然と恐怖の鮒鮓になってしまうということだ。もちろん発酵の段階で酪酸発酵が起こると酸臭がおこるのである。良い物でも開けて半日一日置いておいたら臭くなるのは当たり前で、鮒鮓の駅弁などは自ら不評を買っているようなものだ。もちろん製作過程で清潔にしておくことが前提だ。
一度経験してしまった俺に言わせると、鮒鮓は湖北長浜のものに限るな。
▲豆腐も美味しい。木綿なのが尚宜しい。
▲琵琶鱒
▲鰻素焼きお造り風
■「住茂登」(すみもと)
長浜御坊表参道通り
0747-65-2588
●12:33東京発14:49米原着
●15:03新快速近江塩津行き●15:22高月着(向源寺)
コメント 0