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■「富士太鼓」「鞍馬天狗」    dimanche 13 dec 2009 [■能狂言]

観世九皐会12月定例会(神楽坂・矢来能楽堂)
能「富士太鼓」(シテ・長山禮三郎、子方・遠藤瑶実)、「鞍馬天狗」(シテ・観世喜之、牛若丸・奥山恒成)
狂言「鏡男」(シテ・野村万之介、アド・竹山悠樹)

「富士太鼓」は、殺された楽人・富士の妻が夫の装束をつけ舞うという狂乱物。遠藤瑶実さんは幾つなのだろう。まだ学童に上がる前だろうが立派にシテ方と遣り取りしていた。子方の声高の一本調子の台詞は、能という幽玄な芸能に適わない様にみえるが、その幼く稚拙なところが現実味をかもし出しているのだ。これは「鞍馬天狗」の子方奥山恒成さんにもいえるが、年の最後に良いものを観ることができた。

狂言「鏡男」。都から田舎の妻のもとに鏡を買って帰ったが、妻は初めて見る鏡が理解出来ず、鏡面に写った自分の姿を夫が都から連れてきた女だと憤激する話。この狂言の制作時の鏡というものの伝播と、鏡像を認知出来ない知のあり方に興味を覚えます。室町後期だと思われるが、鏡に写った像と自らを同一する認識論はまだ無かったということである。水面に写った姿で自らを知る、そんな機会もなかったのだろうか。

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