●歴史は変えられる lundi 31 aout 2009 [■situation]
昨30日行なわれた第45回総選挙、民主党は308議席を獲得、自民党は119議席と惨敗した。1955年の結党以来自民党が第一党を初めて降りる歴史的な日となった。
50年間の自民党政権が瓦解した亢奮の一夜が明けて、民主党の政権誕生にむけて実務的なタイムテーブルが動き出した。(昭和20年の終戦の翌日もこうして過ぎていったんだろうかと考えてしまいます)
自民党の失政、国民との乖離は1993年の非自民連立政権以降顕在化していたのだが、この混沌はもはや後戻りできないところに来ていた。昨年のアメリカ発の世界不況を一例とする経済政策の無策、少子高齢化した日本の社会構造の把握力欠如など、もはや自民党の諸政策は到底時代の要請に耐えるものではなくなっていた。
自民党55年の第一党としての評価と批判、将来はこれから幾多の言説が現われるだろう。勿論ここで言う能力は無い。しかし現況を現す抽象的な一場面が開票速報であった。長崎2区、薬害C型肝炎訴訟の元原告、福田衣里子さんの当選のコメントの場面だった。自己の体験を通して、「いのち」ということを述べていた。テレビ画面の半分では、敗れた久間章生・元防衛大臣が映っていた。その顔からは経験のない女性を小ばかにする薄ら笑いが見て取れた。比例での惜敗率による復活当選を当てにでもしていたのだろうか、その卑しい醜態は利権を待つ議員のそれであって、大衆とかけ離れた現在の自民党の姿そのものであった。
これは一人久間氏だけの姿ではないだろう。久間氏と同じレベルの、当選を重ね国会でもそれなりの活躍をし、閣僚経験もある人たち、派閥の領袖の近くで利権を享受して来た(間違ってその地位に登ってしまった人も居そうだ)、言ってみれば二流の政治家たちがこの度匕首を突きつけられたのだ。自民党をどうにかしようなどと考えもしない、自己の権益を追うだけの政治家に総退場が求められたのだ。
戦後初めて二大政党の時代に入った日本だが、無策、失政でいつでも野党に転落させられる選択の権利をもったわけである。この甘い汁を吸ってしまうと政治に希望をみてしまいそうだ。暴力的変革では何ひとつ変わらなかったが、投票行為によって変化が選べるとは、希望とはあるものなのだな。
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