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◆06-07ラグビー大学選手権決勝「早稲田×関東学院」 samedi 13 janv,07 [■早稲田ラグビー]

早稲田 完敗

大学選手権決勝 
早稲田×関東学院 (14:10キックオフ 国立競技場)
26-33(前12-21、後14-12)

ラインアウト、スクラムすべてに於いて関東学院が優っており、点差以上の完敗、まさに早稲田は惨敗した。昨年のチームからハーフ陣、バックス陣の大半が残り、フォワード一列も信頼性が高まっていた。そのチームが何故これほどまでも惨めな敗北を喫したのか。
準決勝で見せた関東学院フォワード陣の強さと高さは、短兵急には対抗できないことを明らかにしていた。しかし、なんの策も無く早稲田はこの日を迎えたのか。いや、それ以前に、春から関東学院のブレイクダウンの強さは分かっていたはずだ。また、その強さはジュニアの結果でも再確認できているではないか。その関東学院になんの戦略も立てずに、ボールを廻せると思っていたのだろうか。

体力に劣る低迷期に在っても、分析、研究力でどうにか強力な明治に勝利してきた。しかし、それだけでは現代ラグビーでは勝てないとの認識から清宮前監督を招聘した。清宮監督のトップリーグで培われた現代的理論(もちろん大西先生の知と情熱が内包されていた)と、それを可能にするフィットネス強化により、早稲田は常勝チームとなった。そのチームがなぜ急にこうまで惨めな敗戦を迎えねばならなくなったのか。

今年のチームは勝つためのチーム全体の意識が弛緩し、学生の意識をサポートすべき組織が機能していないのではないか。学生の勝つことへの情熱が薄れれば如何に才能のあるチームでも敗北する。早稲田ラグビー部は常勝せねばならぬという鉄則がある。そのためには、つねに進化する理論を吸収・構築することが求められる。しかし、本年度旧弊に囚われていないだろうか。

関東学院は、春口監督のもと良いチームであった。フォワードのブレイクダウン、バックスのスピードとまさに学生チャンピオンと呼ぶに相応しいチームである。願わくは早稲田がそこにいて欲しかったが……。来シーズン、その地位に我が早稲田チームがいることを願うばかりである。

作家の野坂昭如氏が、1975年日本選手権近鉄戦で敗北した早稲田チームに贈った文章がある(「これがラグビーだ」 スポニチ 1975.1.16。 『早稲田ラグビー 栄光の青春群像』ベースボールマガジン社 1975 に転載
)。その冒頭で君たちの先輩にこう語りかけている。「荒らぶる若き、早稲田の公達よ、しばしの間静かにねむれ」。

我々はほんの少しの休息しか君たちに許さないだろう。 だが、常に君たちを応援する。

試合後矢富、曽我部の二人は肩を組みバックスタンドの応援団に挨拶に行った。
試合後、矢富、曽我部の二人

 試合前、J.K.
 応援メッセージの書かれたジャージー


05123535/313553

荒ぶる高田馬場


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コメント 7

さかさか

全くの同感です。
才能豊かなチームでも負けるときは負ける。
その勝つための準備を関東学院はしっかりとしてきた、という事でしょうね。
昨年、トヨタ自動車に勝利したときのまるで裏返しのような展開、だと感じました。
ただ、今年の4年生には申し訳ないですが、
3年生以下には、負けの味をしっかりかみ締めて来年に望める、ということは教訓として良かったかもしれません。
by さかさか (2007-01-16 14:35) 

35年間で最大の屈辱的敗戦を味わった早稲田ファン

ハーフタイムの中竹監督「後半は完成した早稲田のラグビーをお見せします。」は余りにもむなしく聞こえた。過去5年間に積み上げてきた強さの源「接点での激しさ&セットプレーの安定」がことごとく崩壊しては勝てる要素はなかった。
あの強かった昨年から9名もメンバーが残っていながらの惨敗。早大公式HP「これだけの才能をかかえて結果をだせなかったことは重たい。」監督談話「この結果は全て監督の自分に責任がある。」
たった1年で完全に崩壊してしまった早稲田ラグビー。これからどこへ進もうとしているのか?
長年の早稲田ファンであるが今回の惨敗は立ち直るためにはしばらくかかるほど常識では考えられないあってはならない完敗であった。
by 35年間で最大の屈辱的敗戦を味わった早稲田ファン (2007-01-17 22:26) 

懸解

さかさか様、35年間で最大の屈辱的敗戦を味わ…様。コメントありがとうございます。

中竹監督は、学生の自主性を重んじ、選手の主体的行動をまったような感があります。それには賛成です。それに対し、清宮氏は直截に学生と対峙していたようです。上から自分の考えを押し付けたとも言えるでしょう。しかし、だからこそ学生は清宮氏と闘えた、自己の意思を確立できた。そこにも主体は存在します。
中竹監督は「自信と誇り」という美辞のもと、学生との直截な琢磨を避けてしまったのではないでしょうか。つまり、自ら掲げた「部員たちの人間性を高めること」(「ナンバー」670号P24)を結果的に否定してしまったのではないでしょうか。

中竹監督は良き教育者なのです。しかし、常勝を部是とされる早稲田ラグビー監督としては準備不足だったのでは。
大西先生の『闘争の倫理』を今一度紐解いてみます。
by 懸解 (2007-01-18 00:16) 

キンタ

1週間呆然としていましたがジュニア選手権の敗北を教訓にできていなかったのでしょうね。BもCに負けるし。弱い時代から応援してたので、ジャパンそろえて情けないです。
by キンタ (2007-01-18 01:36) 

さかさか

ワセダもすぐに立ち上がることでしょう。
また熱く見守りましょう!

でもこの敗戦、ワセダにとっては大きな遺産ともなるべき出来事だったのではないかとさえ思っています。
これまでのワセダの歴史を振り返った時、劣勢の評判を覆して勝利したことは何度もありましたが、その逆というのはほとんど皆無だったのではないでしょうか。
首藤選手の独走を阻んだ、関東・田中選手の指先。
(かつて日本代表がイングランドと対戦した時に、日本代表のトライをイングランドの選手の指先1本が足にかかって倒れてトライを逃した、という記事を読んだことがあり、ホントに指先1本で倒れんのか?、と思ってましたが・・・)
競技場で映す出されたリプレイの映像を見たとき、私は自分の中で負けを覚悟したような気がしました。ワセダに求めたいのはあのような気迫のこもったラグビーです。
あの終始劣勢のなかでの7点差というのも驚きですが、希薄な内容のゲームで結果勝っていた、なんていうラグビーはワセダにふさわしくないとも思っています。
勝利こそ全て!、という考え方もあるとは思いますが・・・・。
早い話、どちらが観ている側に響く内容の試合をしたかというと、あの試合に限って言えば、明らかに関東学院だったということだと思います。
負けるべくして負けたワセダ。
ワセダが本来やらなけらばいけない事を相手にさせてしまった事実。
ワセダにはキチンと受け止める力と知恵があると信じております。
by さかさか (2007-01-18 09:44) 

懸解

キンタ様
茫然自失、お察しします。私は未だあの試合を見直せていません。津波情報をみる稚気もありません。「ノーサイドクラブ」(高田馬場)に行ってじっくり見てみます。

日本選手権に向けて、来シーズンに向けて、何をどうすればいいのか。敗北から学習することは多岐に亘るでしょうし、深いものになると期待しています。
by 懸解 (2007-01-18 12:52) 

昔の早稲田にもどって欲しい

関東学院の春口監督に,雑草に花が咲いた,とまで言われ,早稲田にとっては屈辱的な負けでした.しかし,来年度,花園組が大勢入ってくると聞きます.普通にやれば大学レベルではまた来年の1月も関東と決勝をやっていることでしょう.早稲田のみなさん,それで良いのですか.昔の早稲田は弱体フォワードが明治、慶應のスクラムに耐えて耐えて勝ってきましたよ.ゴールを背にむしろ押し返したこともありました.あれが早稲田ラグビーであると思います.決して、花園組を多く抱える常勝群団が早稲田ラグビーでは無いと思います.
by 昔の早稲田にもどって欲しい (2007-01-31 17:31) 

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