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■“コッペリア”@BankART  dimanche 26 nov,06 [■Cinéma et Musique]

コッペリア coppelia (port +portail)
<BankART Studio NYK>(旧日本郵船倉庫/横浜みなとみらい線馬車道)

作品は、1870年パリ・オペラ座初演のバレエの古典。原作はドイツロマン派E.T.A.ホフマンの『砂男』。恋人が自分に似せ作られた人形に恋してしまい、それを人形だとは知らない少女が人形師の家に入り込んでその人形を壊してしまうというお話。バレエでは「ドタバタラブコメディー」として演じられるらしい。

演出は吊布に映る照明の影を巧みにつかい身体性を出している。その吊布を空間的パテーションとして使いながら、なんども重ねる行為をすることにより時間性をも表現させもしている。
出演者は自分が演じていない時、正面奥に作られた蜂の巣のハニカムを想起させる格子状の部屋に籠もり、その核を行き来したり、倉庫という狭隘な空間をおもしろく使っていた。

音響に関しては、客席脇に配されたトランペットとコントラバスの生音が、いかにも幻想的で東欧的な雰囲気を遺憾なく表現していた。機材は異なるが、野村萬斎師が世田谷パブリックシアターで「山月記」を演出した折、左右に鼓と尺八を配置し好評を博した演出にも似たものだ。
照明も古典的色な暖色を使っているのだが、現代の癒し系の暖色とでもいえるような、「ウケル」色使いだと言えよう。

しかし、なによりも興味を好てたのは振り付けの確っかりした仕事だ。演劇ではなく、クラシックバレエ、コンテンポラリー出身の集団ならではの身体の使い方だった。

その日の観客のオークションで、誰を主体とした視点で進行するか決めるという面白い方法を取っていた。今回は能楽における間のような立場の「ヒヨコ」という中立的視点で演じられた。出来るならもっと極端に、壊される人形の視点で作品を見られたら超現実的でおもしろくなっただろう。


BankART Studio NYK


BankARTから

 
ある日のMiyaちゃん(キム・ミヤ Kim Miya 振付家・ダンサー・役者)

横浜は、みなとみらい線が開通して、渋谷から元町中華街まで一本になり利便性は各段に上がった。


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