■北朝鮮核実験 lundi 9 oct.06 [■situation]
9日午前、北朝鮮・朝鮮中央通信が核実験の実施を発表。
各国は国際社会に対する重大な脅威としてこの実験を捉えている。国際は今後経済制裁の方向に進むとみられるが、突発的な軍事紛争の危機が全くないとは言えない。それは米韓の側からではなく、またもや北朝鮮から戦端が切られるであろう。
巷間言われる北朝鮮の核開発の目的は、米国との直接対話のテーブルに着くための戦略的開発、あるいは抑止力と見ることは間違いである。北朝鮮の核使用は軍事による朝鮮半島統一、言い換えれば韓国の軍事的制圧に使用するための、実戦使用の核開発である。
朝鮮戦争以降この軍事による統一という思考は変わっていない。1988年のアンダマン海上空の大韓航空機を爆破指令したのは金正日である。1994年の危機と緩和があるが、この点を誤謬してはならない。このときも原子炉開発凍結を言いながら裏で続行していたのである。北朝鮮は未だ戦時下なのである。
中国が一番恐れるのは言うまでもなく北朝鮮の消滅である。一旦戦端が切られれば北朝鮮の崩壊は必定であるが、難民の流出、地質資源の逸失などの経済問題は小さなことである。中国にとって北朝鮮の存在意義は「壁」なのである。韓国に駐屯する米軍と北朝鮮という緩衝帯があったから回避できた緊張は枚挙に遑がない。それが先端が切られた場合、鴻緑江を挟んで米中は直接対峙することになる。北朝鮮という「領土」はその意味で中国には手放せない「壁」なのである。
これは絶対的矛盾を孕む問題である。
最終的には、金政権を排除し非核化した上で北朝鮮が解体し、米軍が撤退した韓国が統一した朝鮮半島を中国が是認するというパターンが最も考えられる最善の解決策であろう。
しかし、中国がそこまで歩み寄れるか、それは北朝鮮の今後の出方に掛かっていると言ってよいだろう。その北朝鮮の最良の政策は軍事的暴発なのである。それを米中で叩く、爆発させ圧縮する。最早この危険で最悪な可能性でしか朝鮮半島の分断は終焉できない。
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