■エリック・ロメール『満月の夜』 mardi 12 sept 06

エリック・ロメール監督　『満月の夜』（１９８４）を観る。

パスカル・オジェ演ずるルイーズの、同棲相手のレミ、友人のオクターヴ、パーティであったバスティアンとの肉体関係を挟む遍歴の時間。ルイーズの心理ゲームを愉しむかのような独善的な行動は観ている者の反感を買う。はらはらする言動の結末はレミに新しい恋人が出来て彼女は住居を出ることになる。この無残な結末で、それが物語として成り立っているのはパスカル・オジェの肢体の齎す可憐さからであろうか。

この奔放で独善な人格の破滅を許さない倫理は、見方を変えれば男性社会からの見地であり、ルイーズに手玉に取られる３人の男の精神の脆弱さの現れである。取り残される時であれ、部屋を出る時でさえ主体はルイーズにあるのだ。それに比べセックスを迫る時も、部屋を出るルイーズに曖昧な関係を維持させようとするのも男のほうなのだ。

<Qui a deux femmes perd son âme, qui a deux maisons perd la raison>
２人の女を持つ者は魂を失い、２軒の家を持つ者は理性を失う

LES NUITS DE LA PLEINE LUNE
Eric Rohmer
Louise : Pascale Ogier
Rémi : Tcheky Kary

 

ジャック・デリダとパスカル・オジェが出ている"Ghost dance" Ken McMuller

 Pascale et Jacques Derrida

Pascale Ogier (1960-Paris1984)
apres un début prometteur (le Pont du Nort , J.Rivette,1981),remporte le prex d'interprétation à la Biennale de Venise,en 1984, pour les Nuits de la pleine lune (E.Rohmer ,1984). Alors qu'on la sent à l'aube d'une grande carrière, elle disparaît brutalement, victime d'une crise cardiaque, quelques semaines seulement après son triomphe.

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